徳島の吉野川は、いつもたっぷりの水が流れています。
しかし、吉野川の支流では、ずいぶん水量が減っているのをご存じでしょうか?
吉野川の支流のひとつ、神山町を流れる鮎喰川は、30年前と比べると約3分の1にまで水量が減っているそうです。
その現状を知ったデザイナーさんがスタートさせた「神山しずく(SHIZQ)プロジェクト」。間伐材の新たな利用価値を提案することで、「50年後の水の循環」そのものをデザインしようとするプロジェクトです。
私も薪割りのワークショップに参加したり、山で間伐材を集める現場を見学する中で、山の現状をはじめて知りました。
原稿を執筆するときに考えたのは、山や川の危機的状況を声高に訴えるというよりも、わかりやすくご紹介し、素直に共感いただけるようにしたいということでした。数々多くみられる、今までの山の保全活動とは異なる、新たな価値を提案をしているので。
今回は、このプロジェクトが生まれていく過程にも立ち会いました。
「神山しずくプロジェクト」の製品は、今までにみたことがないようなシャープなかたちが特長です。
しかし、この”かたち”をスケッチ通りに削り出せる職人さんが、当初は見つかりませんでした。最初の試作品は、残念ながらまったく別のイメージのものになってしまったのです。
後日、まるで魔法のように杉を削れるロクロ職人さんに出会い、今のかたちが実現しました。
木について、ロクロについて、道具について、深い理解と長い経験、そして「神山しずくプロジェクト」を応援しようという心意気がある職人さんがじっくりと作ってくれています。
この素敵な器たち。私も、いつか大切な人に贈りたいです。
「神山しずくプロジェクト」ぜひご覧くださいね。
神山しずくプロジェクト ホームページ
http://shizq.jp/
神山しずくプロジェクト コンセプトブック